試合終了すぐ後こそ、悔しさをにじませていた先輩たちだけど、ベンチを出る頃にはいつもの調子に戻っていた。
「先輩!次は絶対勝ちましょうね!!」
そんな先輩たちの様子に、無理をしていると思ったのか、彰矢は腹から出した声で叫ぶようにそう告げる。
そんな彰矢の声に、先輩だけではなく、1年も、私も思わず肩を揺らす。
彰矢の目は、キラキラとまるで太陽みたいに輝いてる。
まっすぐで、疑うことを知らないような、子どもみたいな目。
「そういえば、1年は知らなかったな。俺たち、3年はこれで引退するんだ」
キャプテンの言葉に固まる1年。
知るはずがない。私だって、昨日知ったばかりだった。
進路が関わることで、1年が口出せることではないと分かっていたから何も言わなかった。
でも、3年が引退する意味は、サッカー部にとっては死活問題に直面してしまう。

