「お前ら、なんも見てねぇよな?」

「「っえ?」」

ちょい、直矢さんどういうこと?

見てないって…?

「直矢、それってゆきのぱ「なんにも、見てねぇよな??」…ハイ。ナニモミテマセン」

これは逆らったらダメだ。コロサレル。

必死に頷くルナも同じ意見らしい。

直矢の凍てつくような視線は去り、ゆきを見る目は穏やかな色に戻ってた。

「ゆき、もう許してやれ」

「…明日イチゴ食べる」

「青羽」

「ん。ゆき、お弁当全部食べるんだよ?」

「コク」

ゆきの小さなわがままに直矢も青羽も笑う。

直矢の服にしがみついてるゆきは、頭撫でられて気持ち良さそうに目を閉じてた。