「…ッ、お……荻原っ!」

「な、なんだよ」

「…あ、………ぁり、がが……」

また壊れたラジオみたいになりやがった…。

呆れた目で見ていると、塩岡の背後から彰矢が走ってくるのが見えた。

「塩岡!」

「彰矢…ッグエ!?」

近づいていても勢いが止まりそうにない彰矢は、オレたちが止める間もなく塩岡に向かって飛び蹴りをした。

もちろん、誰も意図していなかったことで、塩岡が避けられるはずもなく…。

見事に吹っ飛ばされた塩岡を呆然と見ていると、彰矢は腰に手を当てて塩岡を見下ろした。

「雪兎にお礼言えよ!!バカ塩岡!」

「彰矢言ったのか!?」

おいおい…。隠して渡せってお願いしたはずなのに、言ったのかよ…。

塩岡、だから来なかったのか……。