「滝原、塩岡に会ってねぇの?」

「そっくりそのまま返す」

「オレ、嫌われてるから」

「はっきり言うな」

とはいえ、このままほっとくのもな…。

オレが行っても意味ないような気はする。彰矢を送り込むにしても…。

とか悩んでたらなんか影がかかる。

くまと、…塩岡?

「連れてきた」

「…おう」

なんか猫みたいに吊るされてるんだけど。

くまの手から離れた塩岡は気まずそうな顔をしながら、視線を合わせようとしない。

「…」

「…おい、なんか言えよ」

「ぐぐ…」

錆びた金具が動くかのように首を動かした塩岡は睨み付けるかのごとく視線を合わせてきた。

「…っぐぐ…………っ……あ、ああ……」

「毒でも盛られたのか」

「っはぁ!?」

お、いきなり普通になった。