水城さんがサッカー部に加わって2日。

始めこそよそよそしかった雰囲気も、今では全く感じられなくなった。

そして、夏の大会の2戦目まであと1日。調整も最終段階。懸念があるとすれば、未だに再試ループから戻ってこない奴がいること…。

「なぁ彰矢、塩岡まだ再試やってんのか」

「し、知らない…」

「はぁ、意固地になってすっぽかしてねぇだろうな…」

「荻原、彰矢死にかけてんぞ」

「え?」

と、ストレッチ中の彰矢を見ると、確かになんか意識離れかけてる気がした。

「彰矢、息止めんなって何回言えばいいんだ!」

「っだ!!?」

思いっきり背を叩いて彰矢の意識を引きずり戻す。

違う意味で悶絶し始めた彰矢をとりあえずほっといた。