「雪兎くん監督なんてすご…」
「あのねっ!ゆきが手短にって言ったでしょ!?用件をさっさと言いなさいよ!!」
本題が見えない水城さんに愛華が爆発する。当然、止めようとしたけど聞きやしない。
…なんでオレの回りの女って我が強い奴ばっかなんだよ。
「雪兎くん、一緒にクレープ食べに行こうよ。私、おいしいお店知ってるんだぁ」
その言葉に、場の空気は間が抜けたものになる。
思わずため息をついてしまうと、隣から何かが切れる音がした。…あ、やべ?
「あんたねぇ!!!」
「愛華」
呼んだら止まってくれる。愛華は不服そうな顔をしているけど、ここからはもうオレが言わなきゃいけない。
1歩前に出て、目を輝かせる水城さんの前で足を止める。

