騒ぎを起こしつつある水城さんの元に向かう。背後から愛華がついてくるけど、まぁそれを止める自信はなし。
そんなわけで2人で近づいてくと、それに気づいた水城さんはあからさまに表情を輝かせる。
おまけに目の前の葛城先輩とキャプテンなんてもう眼中にないと言わんばかりの態度で、オレの前に飛んできた。
「雪兎くん!!」
ナチュラルに抱きつかれそうになったのに気がついて後ずさる。
それには気づいたのか、水城さんはそれ以上近づいてこなかった。
「雪兎くん恥ずかしかった?照れ屋さんなんだから~」
「用があるなら手短にしてくれ。オレ今“監督”としてここにいるんで」
少し嫌みを含めて言うと、伝わったのか水城さんは閉口する。
でも、すぐに笑みを浮かべて何事もない様子を取り繕う。

