オレの困惑が通じたのか、美人そんはハッとして笑う。

「ごめんね。一方的にずっと話しちゃった。私は水城だよ」

「ん?」

水城?…水城と言えば確かにクラスに1人いる。…でも、水城“くん”は確か男の子のはず………。

でも、目の前にいるのはどう見ても女の子…。と思ったところで急にピースがはまる。

あぁ、だからオレの“お陰”で、“決心できた”わけだ。彼…彼女は、オレを同士だと思ってる…。

「この前までの私は、水城 望(みずき のぞむ)って名乗ってた。でも、今日からは望(のぞみ)になれたの!だから、荻原くんも望(のぞみ)って呼んでね!」

「それはいいけど、でもオレは…」

「ありがとう!同士に出会えてほんとに心強いよっ!これからもよろしくね!荻原くん!あ、雪兎くんって呼ぶね!!」

オレの言葉なんて聞いちゃいない。

それでも、勘違いは正さなきゃと口を開こうとしたけどタイミング悪く鳴り響くチャイム…。