「で?マジで寝坊か?」

「違う。兄貴たちに……」

「荻原くん!!」

比較的至近距離で大声で呼ばれたことにかなり驚いてしまった。

そして思わず振り返った先には見覚えのある美人さん…。

「やっぱり荻原くんだったんだね!」

「…え?」

「…土曜日、覚えてない?」

いや、覚えてます。それはもう強烈なある意味恐怖体験として…。

というより、この人なんでここに…。

とか言ってるうちにがっつり両手を握られてた。

「私、荻原くんのお陰で決心できたの!本当にありがとう!」

「え?」

…どういうこと?オレのお陰?決心??

というより、この人同じクラスの人?こんな人いなかったよな?学校来てない奴も確かいなかったはず。

…ダメだ。意味がわからない。