その後、特に困ることなく3-1のまま試合終了。
歓声をあげる選手たちに拍手を送りながらも、ホッとした途端疲れが襲いかかってくるように疲労感が体を包む。
挨拶が終わってベンチに戻ってくる選手たちにタオルとかドリンクとか渡したいところだったんだけど、座ってろと葛城先輩、滝原、小月先輩にまで言われてしまい大人しく座っていた。
「雪兎ー!!勝てたぁ!!…どうした?」
「そんな疲れた顔してるように見えるか?」
「うん」
即答ですか。素直な彰矢に毒気を抜かれながら、苦笑いを浮かべた。
「お前途中でどっか行ってただろ」
「そうそう。どこ行ってたんだ?」
「その話はあとでだ。すぐ出るぞ」
キャプテンの声かけに手を動かすことに集中し始める。

