「どうして、月掛高校の人がここにいるんですか?」
「…偵察ですけど」
「偵察?…なんかかっこいいですね!」
…今全力ではぁ?とか言いかけたのを飲み込んだのを誰か誉めてくれないか?
この人何者?この反応の様子見る限りここの試合会場の学校の生徒でもなさそうだし。
マジでストーカー?……笑えない。
マジで逃げよう。今すぐ!!
「オレ、戻るんで。ドリンクありがとうございました」
淡々とそう告げて声をかけられる前に客席から立ち上がってその場から逃走した。
くっそう、偵察どころじゃねぇよ…。
とにかく早く会場戻ろう。
会場の外に出て乗ってきた自転車に駆け寄ると、ペットボトルをかごに投げ入れて走り出す。
もちろん振り返らなかった。どう考えてもろくでもなさそうだったから。
全力をとして自転車をこぎ、試合会場に戻った頃にはすっかり疲労困ぱいしてしまっていた…。

