スポーツドリンクを握りしめたまま、軽くうつむいてる美人さん。…どっか行ってくれそうな気配もなし。
この時間どうしろと…?
受け取れって?残念ながらそんなお人好しじゃないし、何よりも怖いし。
いいや、無視しよう。
喉の乾きを全力で無視してグランドに視線を向ける。攻撃と防御のキーパーソン、司令塔、エース…。それぞれのポテンシャルは高めかなぁ…。
「ッコホッコホ…」
やっぱり喉いたい…。自分自身のケアの怠りに呆れながら試合の流れに目を向け続ける。
…と、再び目の前にスポーツドリンク。ギョッとして顔を向けるとやっぱりさっきの美人さん。
「か、買い直しましたッ!!もらってください!!」
「…」
…え、なに?オレなんかやったっけ……?
新しく買い直したらしいスポーツドリンクを両手に握り締めて差し出してくる美人さんは、若干息が上がってる。

