「こ、これ…よかったら……」
差し出してくれているのは、スポーツドリンクだ。…うわぁ、その優しさに遠慮の欠片もなくすがりたくなるくらいには困窮してるタイミングなんですけど。
でも、いくらなんでも知らない人から飲み物もらうのは、怖い。
「ありがとうございます。でも、それはあなたが飲んでください」
「っえ、あ……。っこ、これさっき買ったばかりなので、毒とか変なのとか入ってなくてっ!!…私も口つけてないので……」
急に饒舌になった美人に思わず注目を向けてしまう。
なんでそんなに必死?恐怖心が増すだけなんだけど…。
美人さんはオレの不審な目に気づいたのか、すみませんと軽くうつむく。
なんか、軽く罪悪感に襲われるのはなんで?

