「ゆきくん、戸木くんたちが呼んでるよ」

「はーい」

ドリンクの用意をしていたところに小月先輩が呼びに来た。

残りを先輩に託してグランドに急ぐ。

大会まであと1日。岩田もすっかりチームの一員になれて、仕上がりは上々といったところだと思う。

というのも、キャプテンたちが頭下げて立ててもらった顧問の先生はサッカーどころか、スポーツとは無縁なタイプの先生だった。

そんな先生も一応と様子は見に来るものの、アドバイスなんて出来るわけがなくて、ただ見に来てくれているだけ。

だから、キャプテンを中心に練習メニューを考えたりするのはずっと変わらない。

まぁ、オレがちょこちょこ口を出したりさせてもらってるけど。

なんか思い付いたのかな?

そんなことを思いながらグランドに到着すると、キャプテンと副キャプテンが話し込んでいた。