早速行こうと行動の早いキャプテンについて行こうとしつつ、完全に放置された塩岡に視線を向ける。

呆然としたように、立ちすくむ塩岡の姿は少しだけ哀れみを感じる。

…こいつが、立ち直るきっかけくらい、手伝ってもいいかもしれない。

そんなことを思いながら、キャプテンの背を追いかける。

教室に戻ると、やっぱり岩田の姿があって、数人の男子と談笑してたところに遠慮なく突っ込んでいく。

「岩田!」

「ん?おぉ、なんだ雪兎」

「よ~荻原」

声をかけるなり岩田をはじめ、談笑してたやつらも気さくに声をかけてくる。

岩田は近づいてきてくれるけど、あんまり近すぎると見上げなきゃいけなくなるから首が痛い。そんなわけでわざと後ずさった。

「でか…」

「くま2号だな…」

キャプテンと副キャプテンがこそこそと話をする。

まぁ、その通りというか、くまは巨人だけど、岩田はその名に似合ってごつい。

とにかくでかくてごつい。柔道部とかでも通りそう…。