「ちわーっす」

視聴覚室のドアを開けながら挨拶すると、キャプテンと小月先輩がいた。他の先輩たちがいないところを見ると、赤点の確認のために呼ばれただけか?

「荻原、相当自信があるのか?…それとも」

「やっぱ赤点確認すか。どーぞ」

急に気が抜けて、テスト用紙をキャプテンに突きつける。すぐに受け取ったキャプテンは、見るなりうわっとか傷つく反応をする。

直矢と青羽なら褒めてくれんのに…。ってキャプテンは兄貴じゃねぇのに。

小月先輩まで目を丸くしてる。そして、向けられた視線は尊敬と畏怖…か?

「すごいな荻原…」

「全部100点なんて」

「返ってきたのだけですけどね。他も大丈夫だと思いますよ」

「1教科だけ赤点だったら逆に奇跡だろ」

苦笑いされながら戻ってきたテスト用紙。