「なぁ、ちょっとボール蹴って行こうぜ!」

「それはパス。…それより、彰矢お前実力テスト何位だった?」

キョトンとした顔をする彰矢に、嫌な予感がする。じっと見つめていると、彰矢は視線をゆっくりそらし、空を見上げてしまう。

「…300」

「…マジで?」

「マジで」

300って、最下位だぞ…。ちょっと想像以上だった。

「いや、テストとか知らなくて…」

「知らなくても解ける問題はあるだろ」

「え!?0点て俺言った!?」

「…」

嘘だろ…。彰矢はオレの表情を見たからか、自分の失言に気付いたようで…。

彰矢、どうやって入学したんだ…。裏口入学でもしたんじゃないかって、ありもしない憶測が浮かんですぐに抹消した。

「…彰矢、来週からテスト」

「…マジで?」

「マジだ」

再び沈黙。彰矢は魂がどこかへ行ってしまったかのように上の空だ。