「あーっと…。滝原って何人きょうだい?」
結局、彰矢が別の話題を出す。塩岡はさして態度に変わりない。王様かよ…。
「2人。姉ちゃんがいる」
「へぇ、滝原の方が下なんだな」
「年が離れてるから、そんなケンカもない。…くまはすごいけどな」
「大熊は何人きょうだい?」
「8人。弟が5人と妹が2人いる」
「大家族っ!!」
彰矢が目を見開く。くま、なんかやけに落ち着いてる気はしてたけど、そりゃそんな年下のきょうだい多ければ落ち着くわな…。
彰矢の視線がオレに向く。
「ゆ…「大熊やっべぇな!ちなみに俺様はひとりっ子だ」」
彰矢の言葉に被せるどころか、打ち消してくるような音量で塩岡は口を開く。主導権を無理矢理奪うような話し方だ。
「だろうな」
滝原も気付いたのか、若干声にトゲがある。大熊も表情が無に近い。でも、塩岡は気付いてないのか、やけに威張っていた。
「…雪兎は?きょうだいいるの?」
彰矢も、少し戸惑ってる。それでも聞き直してくれる彰矢の気遣いには頭が下がる。

