見え透いた塩岡の心情に苛立ちそうになったけど、彰矢の手前抑える。
5人まとめて連絡できるグループがないから、個々に連絡をつけてまで、こんな機会を用意した彰矢に失礼だ。
空になってしまったシェイクに寂しさを覚えながら、コップから手を離した。
「でもまぁ、出会って2ヶ月ちょいで雪兎と松谷はよく連携できるよな」
滝原が出した話題に塩岡はあからさまに眉間にシワを寄せる。それに気付いてない彰矢は目を輝かせた。
「雪兎がすごいんだよ!俺、こんなのびのびやれたこと今までねぇもん!」
「だから、信用してるのか?」
「それもあるけど、雪兎は高校で出来た1番の友だちだからな!」
裏のない言葉だってすぐに分かる。…恥ずかしいったらねぇけど。
彰矢を見ていると、視線が重なって笑いかけられる。
あまりにも純粋な目に、さらに恥ずかしくなった。

