シェイクのストローで遊びながら様子を伺っていると、食べ終えた塩岡が手持ち無沙汰になってスマホを触り出す。

一瞬目があったけど、見なかったことにされてるし…。

やっぱりだけど、塩岡からはまだ拒否されてる。昨日の試合で滝原から感じてた戸惑いはなくなったけど、あれだけで受け入れられた方が特別だったんだ。

「なぁ、みんなはいつからサッカーやってた?」

量が多かったせいか、1番最後に食べ終わった彰矢が口を開く。すると、スマホを見てた塩岡も顔をあげる。

「俺は小学生の部活から」

「同じだ」

滝原とくまが答える。視線が流れて塩岡に注目が集まれば、ニヤリと笑う。

「幼稚園だ!地元のチーム入ってた。彰矢は?」

「俺は3歳。兄貴がやってたからな」

「ッゲ俺様より早いのかよ」

塩岡は自分が1番サッカー歴が長いと自慢したかったらしい。歴が長いからと言って技術面がずば抜けてる訳でもないだろうに…。