「荻原、説明しろ」
「別に、大したことじゃない。ドリンクをちょっといじってるだけ」
「は?説明になってない」
抗議するが、雪兎はそれ以上言うつもりはないのか視線をそらしている。
そんな雪兎に滝原がもう一度口を開こうとする。だが、それを遮ったのは小月だ。
「ゆきくんは1人1人に合わせたドリンクを作ってくれてるんだよ」
「え…」
「先輩、言わなくていい」
「ただ、ドリンクの粉を混ぜるだけじゃない。割合や必要なら塩分とかも混ぜてるドリンクを用意してくれてた」
雪兎の制止も無視して小月は話続ける。雪兎も先輩には強く出られないのか、不機嫌ながらも無理矢理止めようとはしなかった。
一方、滝原は驚いた様子で雪兎を見つめている。
1人1人に合わせたドリンク?そんな、トレーナー染みたことまで出来るのかよと内心では驚きを隠せない様子だ。

