「なぁ、雪兎。このあと暇?」

「ん?なんで?」

「ちょっとボール蹴っていかねぇ?」

とか言いながら、スポーツバックから出てきたサッカーボール。持ち歩いてんのかよ。まぁいいけど。

「いいぜ。近くに公園…「ゆーきー!!!」ッゲ!?」

突然響いた声の相手なんか振り返らなくてもわかる。逃げ出そうと足に力を込めた瞬間捕まった腕。

あぁもう、オレのタイミングをよくわかっていらっしゃる!!

「ゆき?誰から、逃げようとしてるわけ?」

「あ、愛華…様」

「私から逃げようなんて100万年早いわ!!」

思わず様をつけてしまうほど恐ろしい迫力を身に纏った愛華に恐怖心が膨れ上がっていく。

ダメだこれ。コロサレル!!