ケーキ屋の彼


「秋斗も早くきなよー!」


美鈴は、食材を入れ終えひと休みしている秋斗に大声で話しかけた。


「今行くよ!」


秋斗は、小走りで5人のいる砂浜までやってきた。


秋斗が来る頃には、みんな服や髪は濡れていて涼しげな顔をしている。


そして、疲れたのかさきほどよりも静かになっていた。


「みんな、実は僕お店からお菓子を持ってきたんだけど、食べます?」


「食べますっ!」


はしゃいで疲れてお腹を空かせる様子は、まるで小さな子供のようだ。


ちょうど涼しい風も吹いてきて、みんなは椅子に座ることにした。


その前に、5人は砂で汚れた手を洗う。


秋斗がお菓子を持って来る頃には、みんな海の方を向いて座っていた。


さきほどとは打って変わって落ち着いたこの空間に、さざ波の音が聞こえてくる。


「オレンジ味のクッキー美味しい」


柑菜は、ほんのり橙色に染まったクッキーを食べている。


海を見ながらのクッキーも、なかなか美味しいと感じていた。