ケーキ屋の彼


慣れないキッチンで、ほぼ初対面の真波と2人きりになった柑菜は、緊張していた。


「柑菜さま、なにをお手伝いしたらよろしいでしょうか?」


真波は早速柑菜に話しかける。


柑菜は、柑菜さま、という言葉になんだかざわざわした。


「じゃあ、これと同じものをあと10個作っていただけますか?」


「かしこまりました」


ちょうど完成した生春巻きを真波に見せる。


中には、エビやレタス、きゅうりや人参が具材として入っていた。


真波はそれを見て、手際よく具材を乗せ巻いていった。


「真波さん、じょうずですね」


「料理は得意なもので」


普段あまり褒められることのない真波は、柑菜に褒められ、どこか恥ずかしそうな表情を浮かべてはにかんだ。


あっという間に10個の生春巻きを完成させる。