一方、秋斗と涼と空の3人は男同士で話していた。
「秋斗さんは、どうしてケーキ屋になろうと思ったんですか?」
空は、秋斗のパティシエの経歴に興味深々である。
涼に対してもそうだが、自分にはできないものを持っている人を見ると、空はその人に対して強い関心を持ってしまうのだ。
「うーん、昔悲しいこととか嫌なこととかあった時に、親に食べさせてもらったのがケーキだったんです。いつもそれで笑顔になることができて、だからかな。みんなにもケーキで笑顔になってほしい」
「秋斗さんの考え素晴らしいですね、柑菜さんが惹かれるのも分かる」
「あっ」
空が口走ってしまった直後、涼がそれに反応するも、時はすでに遅し。
しかし秋斗はその空の言葉を鵜呑みにはしない。
「そんな、惹かれてるのは僕の方ですよ、柑菜さんが居たからフランスにもう一度行こうとも思えたんです、柑菜さんは僕にとって……とても大切な人です」
「そうですね、秋斗さんのその思い、絶対伝わりますよ」
「…………」
涼と空は、秋斗の思いを聞いて、本物だなとそれぞれ感じ取っていた。
そんな秋斗は、真剣な表情だが、恥ずかしいのか顔は赤く照れている様子。
「ありがとうございます」
秋斗は2人にそう伝えた。



