ケーキ屋の彼


「好きな子って……だって、いつも他の人を好きだって……」


「それは、櫻子の気を引きたくて……初めて会った時から、櫻子が好きだったんだ」


「空って、バカなのね。でも、柑菜ちゃんのことは? 私の友達なのよ」


「柑菜さんには、本当に惹かれたよ、櫻子のことももう諦めようと思ってる時に彼女に会ったんだ。でも、柑菜さんにはもう大切な人がいたんだね、僕はみんなに振られてばかりだ」


ははっと、空気を漏らす空。


「…………ねえ空。私の初恋は、空なのよ。でも、空はいつも他の子ばかりを見ているから諦めたの」


「え?」


「…………もし、私たちが付き合って結婚したら、私たちの親は許してくれるかしら? 親同士も仲良いし、昔なんて結婚させようかって冗談言ってたわよね」


ふふっと昔を思い出し笑う櫻子は、さきほどまでの冷たい雰囲気はもうなかった。


「うん、きっと許してくれるよ! だから、僕と恋愛しよう」


空は、櫻子に手を差し伸べる。


櫻子は、その手を笑顔で握った。


「おめでとう!」


その瞬間、亜紀や柑菜たちが2人に拍手をおくる。


「あら、やだ私、クリスマスパーティだったこと忘れてたわ、ごめんなさい柑菜ちゃん、亜紀ちゃん」


「いいの、櫻子が幸せなんだから。本当に私嬉しいよ!」


柑菜は、嬉しさのあまり櫻子に抱きつく。


恋愛に諦めている櫻子に、どうにかしてそれを味わって欲しかったから。


「そうだよ櫻子。本当におめでとう」


秋斗や美鈴、涼も2人を笑顔で見つめていた。