「ねえ、今日の夜とか東京を案内してくれない?」
「今日……?」
秋斗は、柑菜の顔を見ると「ごめん、今日は彼女との約束があるから」とその誘いを断る。
柑菜は、どうしていいか分からずに、つい余計なことを口にしてしまった。
「い、いいですよ。私はいつでも秋斗さんに会えますし。……真莉さんも東京を見たいと思うから」
「そう? ありがとう柑菜さん」
でも……という秋斗だったが、結局首を縦に振らざるをえなかった。
柑菜は、自分よりも大人で顔も綺麗で体型もいい真莉を見て、秋斗がこんな正反対な自分を好きなになるはずなんてないよね、と心の中で思う。
恋愛のことになると、いつも否定的になる自分のことが、柑菜は好きではなかった。
「じゃあ、7時に東京駅の前で待ち合わせしましょ」
「……ああ」
それを言い残すと、真莉はどこかへ行ってしまった。



