キーンコーンカーンコーン…
と、チャイムが鳴り響く中
私は急いで自分の席についた。
2年生になったから教室が旧校舎の3階にあるのだ。
意味がわからない、なぜ3階なんだ…
ユウちゃんと一緒がいいのー!と
中2にもなって駄々をこねるナナを
必死に教室に連れていったものだから
階段ダッシュ以上の体力を消費した。
「はぁ…ナナ大丈夫かな…」
友達の心配もだが正直自分も心配だ。
話せる女子がいない…!部活同じ子さえ…!
しかも私はそこまで目立つタイプではなかった。
周りの女子達はみんなキラキラした派手な子達ばかりなのだ。
今年1年この環境で生活か…
そんな暗い顔をしてると、
「あれっ、シロじゃん!」
後ろから聞き覚えのある声がした。
白峯 輝 (シロミネ・ヒカル)
私は ヒカさんと呼んでいる。
幼稚園の頃からの友達で いわゆる幼なじみってやつ。
「ヒカさーん…そのシロの発音どうにかなんないの…」
「だって俺のシロは白でしょ?シロのシロは城じゃん!」
うん ごめん、ちょっと何言ってるか分からない。
なんて思いつつ 少しほっとした。
クラスに馴染めそうにないが、ヒカさんがいるだけ少し安心…
「なぁなぁシロー、課題やったー?見せてよー!」
…安心というか、うるさいの間違いかな。
無視しても後ろからちょっかいをかけてくるヒカさんに
私は 思わず笑いが出てしまった。