「あの時、すごいビックリしたんですからっ、あまりの熱にビックリしてうっかり腕引いちゃって、それで座っちゃった私にあんなことっ」
「あれはモモが近くに寄り過ぎなんですよ。好きな子が自分の部屋にいて、あんなに近くにいたら手を出すに決まってます」
なにそれ。
私が悪いみたいじゃない。
っていうか好きな子って?
あの頃主任は、朔也さんに言われてイヤイヤ色んなところに行ってくれてて。
間近にある主任の顔を見つめていたら、見る見る赤くなって……
ぇ?
「……ずっと好きだったんですよ」
耳まで真っ赤にした主任は下を向いたままそんなこというから。
ずっと、
好きだった
そんなにも前からずっと見ていてくれたことが嬉しくて。
その真っ赤な耳に口付けて囁く。
「耳まで、真っ赤ですよ?」
その耳を押さえると、いつの間にかあの時のようにぎゅってされて
「しばらく、このままで……」
その声はあの時の辛そうなものではなく、私の中に甘さと安らぎと運んできてくれた。

