「それにしてもモモちゃんがイメージ通り過ぎてちょっと嬉しい」

「イメージ通り、ですか?」


ていうか、私ってどんなイメージ?


「うん、かわいらしい女の子って感じのね。守ってあげたくなるタイプのこ」


守ってあげたくなるタイプ。
要するに何にも出来ないように見えるっていうことの裏返しで。
私はこの言葉を褒め言葉として思ったことはない。
誉められたら素直に受けとればいいんだろうけど、どうもこの言葉だけはダメ。


「なんていうか、よくどんくさいとか言われますけどねー」

「はは、そこがいいんじゃん。それにしても男子は放っておかないだろうなぁ?スーラさんとか危険かも」

「スーラさんって、彼女さんいますよ。たしか」

「かわいい子だったらさ、彼女とかは関係ないよね」


いやいや関係あるでしょう?
ていうか、そういうつもりで来てないし。
みんなに会いたいって気持ちはもちろんあるけど。


「あーでも、みなさんに会えるのはすごく楽しみです」

「だよねー。私さ、なにげにベスは男子だと睨んでるんだー」

「え?リズさん?女子、ですよね?」

「まーそのへんも含めて楽しみだよね」


リズさんはだってお嬢様キャラで。
まさか中身男子とかはありえないし。
楽しみって言うか、もしそうだったら怖い。


「でも、私も電車の中で色々妄想してきました」

「たぶん若い女の子はモモちゃんだけだと思うんだよね。私と雪姫はオバさんの部類だしね」

「へ?オバサン?あの私よりちょっと上ぐらいですよね?」


ちょっとじゃないかもしれないけどでも三十ちょいぐらい。


「モモちゃんていくつ?」

「二十五です」

「……全然上だよ?私らアラフォーだし」


えええええええええええええええ
どのへんが?
何度見ても三十前半にしか見えない。


「ぜっんぜんそんな風に見えません!」

「ふふ。ありがと。若づくり成功かぁ」


キューブさんはそんな風に言ったけど、若づくりって感じじゃなくて似合うものを着てるからそう見えるのか。
もしかして雪姫さんも若く見えたりするんじゃないんだろうか。


「雪姫さんも同じぐらいですよね?」

「うん一こ下かな。雪姫は美人なおねーさんて感じだよ」

「わーそうなんですねー楽しみです」


話をしながら歩いていたらいつのまにか山手線のホームについていた。
どうやら雪姫さんの泊まっているホテルに向かうらしい。