十二月になったと思ったら、いつの間にかもう半分終わってて。すぐに年末になっちゃう。
仕事が忙しいこともあるし、なんていうか街全体がそわそわしてる感じっていうか。

ともかく、あっという間にクリスマス目前。

社内業務と店内ヘルプに追われて残業することもしばしば。
そんなある日、珍しい人からのメールが。


『クリスマス帰るだろ?23日に迎え行くよ』


潤兄からのメール。

夏に会った時にメアドを交換してたけど、あれ以来ずっと音沙汰なしで。
ご飯ぐらいご馳走してやるって言ってたのに何ヶ月ぶりよって突っ込みいれたいぐらい。


クリスマス、元々予定もないから迎えに来てくれるんならお夕飯ご馳走してもらって実家まで送ってもらえばいいやなんて考えて、


『うん、帰るよ。せっかくだからお夕飯もご馳走してね(。ゝ∀・)ゞ』

『おう、まかせとけ』


年末には帰るけど、クリスマスは家族と過ごす日と主任に宣言した手前やっぱり帰らないとね。


……だってクリスマスは“大切な”家族と過ごさないと。


潤兄は小さな頃からよく遊んでもらっててその頃はほんとのお兄ちゃんだと思ってた。
ほんとのお兄ちゃんじゃないってわかったら、今度ははじめて異性として意識して、初恋の人になったけど。
それも今はいい思い出。

幼稚園の頃には潤兄のお嫁さんになるって言ってきかなくて困らせたこともあるらしい。
自分では覚えてないけど、潤兄によくからかわれたっけ。


今でも私をちっちゃい子どものような扱いをする潤兄。
いとことはいえ、ほんとの兄のように家族のように思ってる。


ちょっとだけクリスマスも楽しみになってきた。
二十三日は残業にならないように前倒しで仕事終わらせておかないとね。

そう思うとやる気が出て、ちょっとだけテンションの上がった私は積み重なった書類の処理するスピードを上げていった。