彼と恋のレベル上げ(10/6おまけ追加)

ドキドキドキドキ……


私はもう二度と上を向くことも出来ず固まる。
こういうときどうすればいいかなんて誰も教えてくれないし。

だいたい、この状況で誰かに聞くことも出来ない。


恋レベル0(ゼロ)の私に
この状況を打破する方法を誰か教えてくださいっ


いますぐっ
この瞬間にっ



下を向いたままの私に、その体勢のまま主任が「天ヶ瀬さんって思ったよりも、行動的なんですね」とか。


へ?
何?
行動的?
無理やりここまで押しかけてきたって事言ってる?
やっぱり迷惑だった?



「もっと受身なタイプだと思っていたんですが、」


そして主任はもう一度頭をぽんぽんして手を離した。


「明日が辛くなりますから少しでも寝てください。こんなところで申し訳ありませんが。

本来なら私がソファで寝るべきなんでしょうけど、さっきまで私が寝ていたところに寝せるわけにもいきませんから。

申し訳ありませんが、こちらで」


いつまでも下を向いているわけにもいかないので、恐る恐る顔を上げると、
ソファは倒されてベッドのようになっていて、そこにクッションとタオルケットを用意してくれていた。


「あの、」

「電気消しますよ?」

「あ、はい。ありがとうございます…」

「おやすみなさい」


パチン


そして電気が消されて暗闇が訪れた。









……もちろん寝れるわけがない。