「あ。」
主任だ。
でも、返信早くない?
「『無事帰れたのなら良かったです』って、主任って実は結構優しいのね?」
真上から声がして、顔を上げると昨夜と同じようにまたメールを上から覗き込んでる。
「望亜奈さんっ」
「ごめ~ん。だって考えてあげたの私だし?見る権利はあると思うよ?」
「ま、まぁ、そうですけど……」
「まさか主任昨日からずっとメール待ってたとかないよね~?」
あるわけないじゃないですかっ
たまたま携帯いじってたときにメールくることってよくあるでしょう?
とりあえず、ほっとしてたら、
「桃ちゃん、おなかすいたぁ」
望亜奈さんのその一言でブランチは朔也さんのところに決定。
*****
というわけで、今は朔也さんのレストラン。
ランチが始まってからの時間に来る予定だったのに。
イケメンシェフがいるなんて私がうっかり口が滑ったもんだから、すぐ連れていけみたいな話になって……
オープンしてすぐの時間にきてるわけです。休日のランチメニュー楽しみにしてたのに。
「イケメンシェフはどこかな」
そう言ってキョロキョロしだす望亜奈さん。
シェフなんだし、普段は出てこないでしょう?
「私が直接知り合いなワケじゃないので、出てこないと思いますよ?ていうかここのほんとおいしいんでっ」
私が力説してると望亜奈さんの目が急に一点に集中して、心なしかハートマークに見えますよ?
「桃華ちゃん、お友達と一緒に来てくれたんだね」
その声に驚いて、振り返れば朔也さんで。
やっぱり今日も甘さマックスの微笑みつき。
「朔也さん、こんにちは。早速来ちゃいました」
「スタッフがさっき教えてくれてね。ランチは時間が早いからまだ出来ないけどどうする?」
「望亜奈さん、何にしますか?」
ぽーっとしたまま朔也さんを見つめている望亜奈さん。
早くも毒牙にかかっちゃったみたいです。
「望亜奈さん?」
「え?あ、えと。なんだっけ?」
「今日のお勧めはね?」って言って優しく望亜奈さんに教えている朔也さん。
それ以上見つめたら、たぶん望亜奈さんここから離れなくなりますよ?
「じゃあ、すぐに準備するね?」
さわやかな笑顔を残して席から離れる朔也さん。
あぁ望亜奈さんの目はハートのままですよ?

