テストが終わった…。


「大和くーん?何1人でガッツポーズしちゃってんの?」


こんなふうに邪魔してくるやつといえば


「うっさい、拓也。テストが終わった快感を味わってんの!今日は特別授業あるんじゃないの?」


「あるよ!嬉しすぎる!水月ちゃんに会える~!」


ぞっこんかよ…


「大和も桜月ちゃんに会えて嬉しいだろ?」


「いや、別に。」


心にもないことを。本当は嬉しい。決して下心はない!…はず。素直に言ったら全校生徒にバラされる。そして…


“え、佐々木先輩キモイです。そんな人だったなんて。変態ですか?”


なんてことに!絶対言ってはいけない!


「佐々木先輩!」


桜月さん!?


「ごめんそんなつもりじゃ!変態じゃないから!」


「…何のことですか?ていうか変態なんですか?」


しまった…


「桜月ちゃん、男はみんな変態だよ。もちろん大和も変態だし。特に大和はムッツリだから気をつけてね?」


「ちょーっと黙ろうか?何勘違いするようなこと言ってんの?」


僕は変態ではない!


「下心ないんだろ?」


「ないから変態だと思われていいってわけじゃないだろ!」


「そんなこと言うんだったらムッツリやめて俺みたいにオープンな変態になればいいじゃん!」


「文脈的に意味わかんないし!馬鹿なのか?」


「大和に言われたくない!」


「拓也ほど馬鹿じゃない!」


「大和去年2組だったじゃん!」


うちの高校は1年生は6組が1番頭が良くて1組が1番残念。7組は運動神経がいい人しかいない。2年からは文理選択で1~3が文系。4~6が理系。これでも一応理系なわけで…


「高校受かったからいいんだし!」


「ずっとD判定だったのにな。」


「桜月さんの前で言うなよ!」


「え、下心ないんだろ?」


「…無いけど?」


「今の微妙な隙間は何かな~?」


「あの…」


やば…桜月さんのこと忘れてた…


「合わせませんか?連弾…」


「え…今日はもう学校終わるし、テストの採点あるから部活無いけど?」


確か担任が言ってたような…


「学校じゃなくて、うちで…」