またあの時のようなことが起きるんじゃないかって
怖くて、震えが止まらなくなった。
そしたら、いつの間にか我を忘れて、
助けを求めてたあの時のように
叫びながら部屋のドアを叩いていた。
お母さんはその叫び声と音に驚いて、私の部屋まで来てくれた。
ドアを開けて、パニックになる私を見て
「陽菜!」って何度も名前を呼んでいるうちに
私は我に返ったの。
その時、私はやっとお母さんに体育館倉庫であったことを言った。
転校しようって、お母さんは言ってくれたけど
転校したところで私の人への恐怖心は変わらない。
結局、みんな同じだって思ったから。
…………だから、怖いんだよ。
嵐の天候が。
いくら忘れようとしても、
あの時のことを鮮明に思い出してしまうから。
あの時の感覚が、また戻ってくるから。」

