「……閉じ込められたの。大雨の日に……学校の、体育館倉庫で……」




……なに、言ってんだろ。


……なに、思い出してんだろ。


忘れたはずなのに。


嫌な記憶は……しまったはずなのに。


それでも……よみがえる。


あの時の記憶が……あの時の、恐怖が……。









体は震えたままおさまる様子はない。




怖い。




怖い。







……この男が来るまで、完全に我を失っていた。


ドアだって、自分で開ければ開いたものを、パニックになって混乱してしまっていた。


それも、この人に私のこんな姿見られるなんて……


………………でも


来てくれた。


扉を……開けてくれた。


とても怖かった。


恐怖から、解放してくれた。


すごく……安心した。