ふと俺の顔を見た陽菜は、心なしかホッとしたような表情をした。 「雷、苦手だったのか?」 俺は陽菜に尋ねる。 「…………」 何かを考えているのか、まだ少し混乱しているのか、陽菜は黙ったまま。 ドアは、ちゃんと空いていた。 中からは開けれなかったのか? それとも………… 「……たの」 「え?」 陽菜が、静かに口を開いた。 「……閉じ込められたの。大雨の日に……学校の、体育館倉庫で……」