「……なんで?」
「えっ」
陽菜が、俺の言葉に反応してくれたのだ。
驚きのあまり、つい声が跳ねてしまった俺。
そして、嘘みたいに、陽菜は俺に話し始めた。
「なんで、私なんかと話したいとか思うの?
ひねくれてて、暴言しか吐かないし、
態度悪いし無視するし。
なんでそんな私に、そこまでして話したいとか思うの?
いい人ぶってんでしょ?
お母さんからの評価上げたくて、私と仲良くしたいだけでしょ?
人間なんてそんなもんなんだ。
純粋に話したいだけとか、仲良くしたいだけとか、
そんなのあるわけない。
見返りを待ってるとしか思えない。
私に近づく人は……みんな敵なんだ。」

