陽菜が顔だけをひょっこりと出す。
まずはキッチンの方を見ていた。
そして、陽菜はゆっくりとキッチンとは反対側の俺がいるソファの方に顔を向けた。
すると、またさっき見せたようなあの化け物を見るような表情へと一瞬にしてガラリと変わる。
もうなんともいえないような、
「なんでお前がここにいるんだ」と言わんばかりの顔だ。
まぁ、わかっていたよ。
陽菜が俺を見たら、そういう顔するだろうなとは。
しかしやっぱりちょっと傷つくな……!!
でも、そんなことは言ってられない。
陽菜は開けたドアを勢いよく閉めて、バタバタと走って逃げていってしまった。
「あ、まっ……待って!」
まずい!
逃げられちゃおしまいだ!
また部屋に閉じこもりでもされたら俺はどうにもできねぇ!!
俺はすぐに閉められた扉の方へと向かい、ドアノブに手をかけて扉を勢いよく開ける。
そして、階段まで急いで行き、2段飛ばしで階段を駆け上がる。

