他人に普段の生活を見られるまいと、いつも部屋着で家の中を歩きまわっている私はわざわざ私服を引っ張り出してきた。




と言っても普通の黒色のパーカーに、太ももくらいの短さのデニムパンツ。




ガチャッ




お母さんが玄関のドアを開けた音を聞いて、ソファから立ち上がる私。




そして、警戒心むき出しの態度でリビングから体の半分だけをのぞかせた。




お母さんが開けた玄関から入ってくるのは、背の高い男の人二人。



先頭を切って入ってきたのがお母さんの再婚相手とやらで、その後についてきているのが息子とみた。




二人とも、荷物が入った大きなキャリーバッグと大きなカバンを持っている。




本当に、今日から居座るつもりなのか……。