そして私は、スタスタと早歩きで息子のもとへと近づいていく。
息子の前に来たところで立ち止まったものの、顔を見ることができずに足元にしか視線をやることができなかった。
そして、私は勢いで言葉を投げつけた。
「……ば……っかじゃないの!?
いい気にならないでよ!
私は、あんたらのことなんて絶対認めないから!
ていうか、追い出すから!!」
『追い出してやる』
さっきまでは、その気持ちでいっぱいだった。
でも、なぜかその気持ちが少し軽減されている。
どうして、どうしてよ。
こいつらは、信用できないでしょ。
うまいこと言って、距離を詰めてこようとしてるんだきっと。
それで最後は、手のひらを返してくるんだ。
結局、裏切るんだ。
絶対そう。
……絶対。
そう、思わないと……
もし、心を許した時に裏切られたら
ショックで立ち直れないでしょう。
私は、裏切られた時の辛さ、悲しさ、全部しっかり覚えてる。
油断なんて、しちゃいけない。

