他人は嫌い。


だけど、自分のことはもっと嫌い。


何も信じられない自分のことが。


他人を受け入れられない自分のことが。


疑うことしかできない、自分のことが。




「…………」




戻ろう。


自分の部屋に。




そう思い、リビングを離れようとした、その時。




カタンッ




腕が、リビングに通じるドアに軽くぶつかってしまった。




その瞬間、リビングからこちらに向かって、何か集中した空気が漂ってくる。




誰も話さなくなり、意識がこちらに向いているよう。




ま、まずい……


私がいるの、バレた?