……やっぱり




陽菜だ。







「どうしたのそんなところに突っ立って!ほら早くこっち来なさい、紅茶用意するわよ♪」




女の人は、さっきのようにふんわりとした雰囲気に戻った。




そして、席を立ってパタパタとキッチンに移動し、元から用意してあったティーカップに、手際よく紅茶を入れる。




俺は、その女の人の行動を確認した後、陽菜の方をチラッと見てみた。




陽菜からは、さっきのように怒っているような、威嚇しているような雰囲気は感じられない。




「あ、あの……俺、空と言います!さっきは、いきなりでビックリさせちゃってごめん……。いつかちゃんと、家族だって認めてもらえるよう、俺、頑張るので、よろしくお願いします」




少し距離は遠いけど、陽菜には直接、ちゃんと自己紹介して、ちゃんと伝えなきゃと感じた。




何も伝えないで、何もしないでそのまま時間だけが過ぎていくのは、意味がないと思うから。




相手にわかってもらうために




言葉にして伝えて




態度で示していかなきゃいけないって




そう思うんだ。