カタンッ




ふと、廊下に出るドアの方から音がした。




その音は、父さんと女の人にも聞こえたらしく、二人もドアの方を見る。




すると、廊下に薄く、影が見えていた。




あれってもしかして……




「陽菜?」




女の人は素早くそう言った。




そして、数秒の沈黙が続いた後、その影がしっかりと姿を現す。