リビングに案内され、2人の後について入っていく。
……ひ……ろ……。
リビングは広くて、
ソファもテレビもでかくて、
キッチンとか5人は並べるんじゃないかってくらい広いし、
フローリングだし、
壁とか全体的に白色で清潔感もあるし
狭くて古いアパートに長く住んでいたもんだから、俺にとっては豪邸のように見えて、圧倒されてしまった。
「ほら、座って座って♪紅茶でいいかしら?」
リビング全体を見渡せるようになっているキッチンから、女の人は父さんと俺に聞いてきた。
「はい」と、二人で答える。
そんな俺らに女の人は、「苦手だったらちゃんと言ってね」と、優しく笑った。
キッチンの前にある食卓に運ばれてくる紅茶と、箱に入ったお菓子。
父さんと俺は隣同士で椅子に腰かけ、テーブルを挟んだ向かい側に、一人女の人は座った。
「さて。空くん、私と会うのは初めてよね。ちゃんと挨拶しなきゃと思ってたの。今になってごめんね?」
女の人は申し訳なさそうに俺の目をしっかりと見てそう言った。
「あ、いやこちらこそっ」
俺は、正直まだ実感が湧いていない。
新しい家族ができるといっても、今日が初対面だし、普通に他人の家に遊びに来た感覚。

