何が起きたのか、俺は全く状況を把握できなかった。
え、なんだ?
何があったんだ!?
やべぇ過去の記憶に懐かしみを感じている間に話が進んでた!
「いい人ぶってんじゃねーよ!どうせ、今だけのくせにっ……。本性隠し持った腹黒い人間が、一番大っ嫌いなんだよ!」
女の子がそう叫ぶように言った瞬間、
俺は一瞬で、その子から目が離せなくなった。
威嚇のようで、訴えでもあるようなその言葉の放ち方は
やっぱり昔の俺そっくりだ。
……それと、この叫び方
しってる。
『お前らみたいないじめっ子、大っ嫌いなんだよ!!』
また、あの時のことが蘇る。
女の子は俺を守ってくれた時
叫ぶようにいじめっ子たちにそう言って
その威圧に押されていじめっ子たちは逃げてった。
その子の名前……なんだったっけ。
確か……あったかい名前だった気がする。
なんだっけな……思い出せそうな気がするんだけど……。

