……でもあの時、知らない女の子がいじめられてる俺を見つけて、わざわざ走って助けに来てくれたんだよなぁ。
女の子なのにすっげぇ威勢よくて、強くて、堂々としてて
俺の前に立って、いじめっ子から守ってくれた。
いじめっ子たちは女の子の威圧に負けて、逃げてったんだよな。
「大丈夫!?立てる?」
なんて言って、
ボロボロにやられて、めそめそと情けなく泣いている俺に
優しく手を差し伸べてくれた。
こうやって助けてもらったのなんて初めてで、
嬉しくて嬉しくてまた大泣きしたことを覚えている。
それで、母さんが来るまでずっと一緒にいてくれたなぁ。
すげぇ安心感のある子で、別れ際にもう会えなくなるのが寂しかったんだよな〜そーいや。
確か、その女の子の名前は……
「馴れ馴れしく私の名前呼んでんじゃねーよ!!」
突然の大声に回想が打ち切られる。

