「あ、陽菜っ!外は大丈夫なのか!?誰にも会わなかったか!?ていうか雨!!嵐の中怖かっただろ!」
空が私の肩にまわしていた腕を緩めて、私の顔を見て必死な表情をした。
「え?」
私は周りを見渡す。
そ、そうだ……
ここ、外じゃん!?
え、待って
私、外に出るのが怖くて
ずっと家に引きこもってて
なんとしてでも外にだけは出ないでいたのに
私……ちゃっかり外に出ちゃってる!?
む、無意識だ……
無意識って怖い……
空の安否を確認するのに必死で……
無我夢中だった……
しかも……雨も雷もすごいのに
私、なんて恐ろしい行動を…………
空のことで頭がいっぱいいっぱいになって家を飛び出したことに、本当に驚いている。
そういえば人がいたのかも、すれ違ったのかも覚えていない。
ただひたすら、空のことしか考えてなかったから。
空に何かあったかもって、それだけだった。
その他のことなんて、もう全く頭になかった。
私……空のこと、本当に大事なんだ……。
自分のことに構わず行動してしまうくらい“特別な人”なんだと、実感が湧いた瞬間だった。

