スーパーの近くまで来たものの、まだ空の姿は見当たらない。
すれ違って……ない?
帰るんならもう会っていてもおかしくはないのに。
別の道から帰った?
そんな、今日に限って……
……もう、わかんなくなってきた……
息を切らしながらスーパーの前まで走って行ったけど、やっぱり空の姿はない。
……なんで。
なんでいないの。
空…………。
スーパーの近くをウロウロと探しても空がいそうな気配がないので、私はなんとも言えない気持ちのまま、家の方向へと足を運んだ。
焦り
不安
それらが私を鋭いナイフのように突き刺してくる。
怖い。
空がいなくなったら、嫌だ。
せっかく
せっかく私と……普通に接してくれる人なのに。
受け入れてくれた人なのに。
………………大切なのに。
あの人に何かあったら……私は…………っ!
「…………っ空!!」
もうあとちょっとで家に着くくらいに、私は足を止め、いないとわかっていながらも空の名前を叫んだ。
ねぇ。
なんでいないのよ。
どこにいるの。
空。

