そら……空……!
一瞬にして全身がずぶ濡れになる。
外は少し蒸し暑くて、だけど雨が冷たくて、なんだかよくわからない。
とりあえず、私はスーパーのある方向へと向かった。
空…………。
……あれ?
私、なんでこんなに必死になってんの?
あんなに追い出したいとか
家族になんて認めないとか
そんなことばっか言ってたくせに
3週間経って、いつの間にか情が湧いたなんて。
空が事故にあったかもなんて考えると
いてもたってもいられないくらい
不安になるなんて。
私……本当は……
本当は、もうとっくに……
「そら!!」
近くにいるかもしれないと、私は叫んだ。
「そら……空!!」
名前を呼びながら、私はスーパーの道のりを必死に走る。
ゴロゴロ……と雷の音が聞こえてくる中、雨はまた強さを増してきた。
「そら…………」
すぐに息を切らしてしまって、最初の勢いがなくなってきたが、私はそれでも走り続ける。

